株価の動きと出来高を対比して
買われすぎ売られすぎを表すVR(ボリュームレシオ)
目次
VR(ボリュームレシオ)とは
VRの計算方法
VRのチャートの作り方
VRとRSIの関係
VR(ボリュームレシオ)とはVolume Ratioの略であり、RSIの出来高版と考えていただいて大きく間違いではありません。
RSIと同じく株の買われすぎ・売られすぎを客観的に判断する為の指標として出来高を用いたものです。 見方も同じく単位は%で上限は100%、下限は0%。一般的に70%を超えたら買われすぎ、30%を下回ったら売られすぎと判断します。
その他の特徴もほとんど同じで、ボックス相場になった時は非常に有効なシグナルとなりますが、 その反面として大相場となり長い上昇トレンド・下降トレンドとなった時には早々に買われすぎ・売られすぎのシグナルが発生する点も同じです。 VRの計算方法はRSIとほとんど同じです。使用するのは終値と出来高です。 ある期間を定めて期間中の上昇した日の出来高合計を期間中の全ての出来高合計で割ります。
期間中の上昇した日の出来高合計÷(期間中の出来高合計)×100
計測期間をどれだけにするかは任意であり、また銘柄によっても異なるでしょうが、一般的にはRSIを同時に観測し、同じ期間とします。 滅多にありませんが、期間中値動きが一切無い場合は計算不能となります。その場合は下限の0%として問題無いでしょう。 それではExcelでVRを計算してみましょう。データの並びは以下のようにします。 銘柄は5405住友金属工業で期間は2006年1月20日以降です。
| A | B | C | D | E | |
| 1 | 日付 | 終値 | 前日比 | 出来高(千株) | VR |
| 2 | 06/1/20 | 443 | 56665 | ||
| 3 | 06/1/23 | 425 | -18 | 43673 | |
| 4 | 06/1/24 | 432 | +7 | 40421 | |
| 5 | 06/1/25 | 451 | +19 | 109600 | |
| ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | |
| ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | |
| 15 | 06/2/8 | 492 | -17 | 145840 | |
| 16 | 06/2/9 | 486 | -6 | 61540 | 67.4% |
必要最低限のデータだけ配置しました。上記のようにデータを並べたら数式を入力します。 算定期間は一般的な14日とします。15日目から指標が計算できます。この例でいくと16行目からです。 C列から順番に数式を説明します。補足ですが、一般的な14日というのはRSIと同様の期間です。 これは冒頭でも述べたとおりRSIとよく似た指標の為です。RSIと同時に確認する機会も多いので日数は揃えましょう。
C3のセルに以下の数式を入力します。
=B3-B2
前日比は上昇した日はプラス、下落した日はマイナスで表記されます。
C3セルを16行目までコピーします。
そしてE16のセルに以下の数式を入力します。
=SUMIF(C3:C16,">0",D3:D16)/SUM(D3:D16)
(SUMIF関数はある範囲のうち、条件に合致するものだけを合計する数式です。この場合はC3:C16の範囲内で「>0」つまり、0より大きい値がある行だけ抽出してD列を合計させています。)
また、小数点以下の端数が気になるようであれば以下の数式を入力しましょう。
=ROUND(SUMIF(C3:C16,">0",D3:D16)/SUM(D3:D16),3)
(ROUND関数は数値を指定した桁数で四捨五入する数式です。VRは%表示が普通なので小数点1桁まで表示するには最後の部分を,3とします。2桁表示の場合は,4とします。)
いかがでしょうか。RSIと全く同じ数式です。指定する範囲が異なるだけです。
データを100日程度作ったらチャートを作ります。 VRは折れ線1本で表現できますのでグラフウィザードから簡単に作成できると思います。 仮に115行目まで入力したとすると、A16:B115を選択した状態からCtrlを押しながらE16:E115も選択してグラフウィザードを開けばほとんど完成した状態です。 終値を第1軸、VRを第2軸に設定すると見やすいグラフになると思います。
何度か記載していますが、VRとRSIはよく似た指標です。 計算方法が同じなだけに当然といえば、当然なのですが、その特性を活かしてVRとRSIを同時に観察してみましょう。 先ほどVRを計算させたシートにRSIを追加してみます。
| A | B | C | D | E | F | G | |
| 1 | 日付 | 終値 | 前日比 | 出来高(千株) | 値動き | VR | RSI |
| 2 | 06/1/20 | 443 | 56665 | ||||
| 3 | 06/1/23 | 425 | -18 | 43673 | 18 | ||
| 4 | 06/1/24 | 432 | +7 | 40421 | 7 | ||
| 5 | 06/1/25 | 451 | +19 | 109600 | 19 | ||
| ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ||
| ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ・ | ||
| 15 | 06/2/8 | 492 | -17 | 145840 | 17 | ||
| 16 | 06/2/9 | 486 | -6 | 61540 | 6 | 67.4% | 66.2% |
RSIの計算に必要な為、E列に「値動き」を追加しました。F列にVR・G列にRSIを配置します。 前章でVRの式を入力してあれば、スライドするだけなので問題ありませんが、念のため両方の数式を記載しておきます。
F16セル以下のセルに入力する数式は次のとおりです。
=ROUND(SUMIF(C3:C16,">0",D3:D16)/SUM(D3:D16),3)
G16セル以下のセルに入力する数式は次のとおりです。
=ROUND(SUMIF(C3:C16,">0",E3:E16)/SUM(E3:E16),3)
これを145行目まで作成してみました。すると出来たのが次のチャートです。終値線を青・VRを緑・RSIを赤で表しています。

△クリックすると拡大します△
上のチャートを見るとVRとRSIはだいだい同じ動きをしています。計算方法が似ているのでそれで良いはずです。 むしろ違う動きをした時が株価の値動きと出来高に関して「何か」が起こったと言えます。
RSIは期間中の全ての値動きのうち、上昇した日の値動きの比率でした。VRは期間中の全ての出来高のうち、上昇した日の出来高の比率でした。 これから考えると、RSIが上昇、VRが下落等といった場合には株価は上昇しているが、「上昇した日の出来高より下落した日の出来高の方が多い」となります。 株価の上昇は出来高を伴ってこそ強い値動きとなる事が多いのですが、この現象が起こる時はまだ顕著に表れていない潜在的な売り圧力・または買いエネルギーの衰退が考えられ、要注意となります。
つまり、VRやRSIだけを眺めるのではなく、比較してさらに精度を高める事ができるという事です。
先ほど作成したチャートについてVRとRSIの観点から解説すると・・・
4月中旬にVRが急落し、RSIを下抜いた場面があります。この後VRは6月上旬までRSIを上回る事はありませんでした。 6月上旬にさらにVRが株価とRSIに反して急落。その後は株価も500円から400円まで20%の急落をしました。
チャートをもう一度ご覧下さい。VRがRSIより下にある時は要注意です。

△クリックすると拡大します△