株式分析研究会 螢舎

指標の組み合わせで売れら過ぎ買われ過ぎを
適格に判断する3点チャージ法

目次
目次
3点チャージ法とは
3点チャージ法の計算方法
3点チャージ法のチャートの作り方
売買ポイントの検出

3点チャージ法とは

3点チャージ法とはタイトルの通り指標の組み合わせでテクニカル分析の精度をより高めようという方法であり、「3点チャージ法」という独立したテクニカル指標ではありません。 指標の組み合わせとしては代表的なものであり、意味もわかりやすく実戦向きでもあります。
では何を組み合わせて3点チャージというかですが、まずは株価の上昇幅を計るRSI(相対力指数)・そして株価の動きと出来高の関連を表すVR(ボリュームレシオ)・さらに移動平均線と現在の株価の関係を表す移動平均線乖離率の3通りです。
ここまでそれぞれ解説をしてきましたのでここで複合指標の株式分析に挑戦してみようということです。 この3点を基本とし、さらにストキャスティクスやボリンジャーバンドを組み合わせる等工夫は無限大です。

3点チャージ法の計算方法

RSI・VR・移動平均線乖離率は既に別ページにて解説済みです。個別のページを御確認ください。
RSI(相対力指数)の計算方法
VR(ボリュームレシオ)の計算方法
移動平均線乖離率の計算方法
特にこの中でも重要なものは移動平均線乖離率です。この指標がこの手法の8割程度を占めていると言えるでしょう。 そしてあとはどのように工夫をして買いや売りのタイミングを計るかです。これは各個人のセンスや感覚によるところが 大きいと思いますが、一つ注意点です。倒産の危機や業績を大きく揺るがすような悪材料が報道された際には当然株価は暴落しますが、 この時に不用意に「下げすぎは買い」と仕掛けると底が見えず大変な目にあう事があります。充分に注意しましょう。
一般的にはRSI・VRが25%以下、移動平均線乖離率が-20%以下となると売られすぎで、 RSI・VRが75%以上、移動平均線が+20%以上となると買われすぎと言われています。
確かに間違いありません。しかし反発のタイミングはまた別の話です。螢舎では反発のタイミングを計るのに次のようにしています。 この方法では底で買う事ができませんが、精度は向上するはずです。

戻りの定義
「買われすぎの域に入ってから、2日続けてRSI・VRが陰転し、VRがRSIを下回った日を下げ始めの日とする」
「売られすぎの域に入ってから、2日続けてRSI・VRが好転し、VRがRSIを上回った日を戻り始めの日とする」

以下からこれを基本として説明をします。

3点チャージ法のチャートの作り方

それではExcelで3点チャージ方法を表現してみましょう。データの並びは以下のようにします。 銘柄は1819太平工業で期間は2007年5月1日以降です。

 
1 日付 終値 出来高 前日比 値動き 平均線 RSI VR 乖離率 判定1 判定2
2 5/1 724 1174                
3 5/2 722 689 -2 2            
4 5/7 747 1217 25 25            
5 5/8 735 1234 -12 12            
           
16 5/23 674 492 -12 12   38.1% 37.4%      
       
26 6/6 709 615 4 4 687.8 63.6% 56.1% +3.1%    
   
76 8/16 651 828 -6 6 772.8 19.0% 27.7% -15.8%    
77 8/17 593 1433 -58 58 765.4 9.4% 22.5% -22.5% 1  
1  
95 9/12 537 571 0 0 599.1 30.4% 29.5% -10.4% 1  
96 9/13 523 362 -14 14 589.8 31.1% 30.2% -11.3% 1  
97 9/14 532 461 9 9 583.6 34.7% 35.0% -8.8% 1 1
98 9/18 518 356 -14 14 577.0 36.5% 36.6% -10.2%    

各指標の計算方法は別解説をご覧ください。 RSIとVRは14日で計算、平均線は25日平均線を利用しています。16行目からRSIとVRが計算でき、26行目から25日平均線が計算できます。
この他にJ列とK列を用意してあります。J列には現在が買われすぎ、売られすぎかを判定するセルでK列は買われすぎ、売られすぎから戻りに入った事を判定させるセルです。 移動平均線と乖離率が計算できるようになった26行目からこの数式を入力します。入力する数式と意味は次のとおりです。

J26のセルに以下の数式を入力します。
=IF(OR(AND(J25=1,K25="",I26<0%),AND(G26<=25%,H26<=25%,I26<=-20%)),1, IF(OR(AND(J25=-1,K25="",I26>0%),AND(G26>=75%,H26>=75%,I26>=20%)),-1,""))
数式は非常に複雑ですが、前章で述べたとおりRSIとVRが25%を割り、乖離率が-25%より大きくなった時に「1」を表し、 逆の場合は「-1」を表しています。一つ条件を付けていますが、前日に判定サインが表示された際には、 翌日は乖離率が0%に達するか戻りサインが発生するまで判定サインを出し続けるようになっています。

続いてK26のセルに以下の数式を入力します。
=IF(AND(J26=1,G24<G25,G25<G26,H24<H25,H25<H26,G26<H26,I26>MAX(I24:I25)),1, IF(AND(J26=-1,G24>G25,G25>G26,H24>H25,H25>H26,G26>H26,I26<MIN(I24:I25)),-1,""))
こちらも非常に複雑で長い数式になっていますが、J列と同じく前章の解説のとおりです。 ここでサインが発生すると翌日の判定サインセルは消えるように設定されています。 Excelが得意な方は数式の意味をよく解読していただき、意味を理解するとさらに用途が広がると思います。

とりあえずここまでのデータでチャートを作ります。 終値と移動平均線を第1軸、RSIとVRを第2軸と設定してみましょう。移動平均線乖離利率は今回はチャートには使用しません。 ここまで各種指標解説のページで書いてある事を参考にしていただければ簡単に出来るでしょう。
ローソク足との複合グラフを作成する場合は始値〜高値までも入力してからExcelでチャートを作成(一般的な方法)Excelでチャートを作成(螢舎独自の方法)を参考にしてください。
完成すると下のようなチャートができます。
3点チャージ法
△クリックすると拡大します△
しかしこれでは単純に終値線と移動平均とRSIとVRを組み合わせただけのものです。

売買ポイントの検出

前章まででチャートはできましたが、チャート上でどこが売られすぎでどこが戻りポイントかわかりません。 また、移動平均線乖離率も不明なのでこれらの指標を追加していきます。 まずは乖離率についてはマイナス数値あり得る事とプラスもマイナスも理論上は制限が無い事から第2軸のRSIとVRとは同じようには表せません。 ここは移動平均線から一定の箇所に線を引く事で解決しましょう。参考までに、この線の事をエンベロープといいます。
次に指標ですが、75%と25%の位置に水平線を引きましょう。これはストキャスティクスの解説のページに詳しい事が書いてあります。
そして、条件が揃って判定1にサインが出た時は終値の上または下に水平線を引きます。
その後の判定2にサインの出た日は垂直線を引きます。
参考にどのような数式を入力したか列記しておきます。
     
1 日付 終値   平均線   判定1 判定2 指標上 指標下 上乖離 下乖離 判定1表示 判定2表示
2 5/1 724                      
3 5/2 722                      
4 5/7 747                      
5 5/8 735                    
                     
16 5/23 674           75% 25%        
          75% 25%        
26 6/6 709   687.8       75% 25% 825.3 550.2    
        75% 25%    
76 8/16 651   772.8       75% 25% 927.4 618.3    
77 8/17 593   765.4   1   75% 25% 918.4 612.3 507  
    1   75% 25% 507  
95 9/12 537   599.1   1   75% 25% 718.9 479.3 507  
96 9/13 523   589.8   1   75% 25% 707.7 471.8 507  
97 9/14 532   583.6   1 1 75% 25% 700.3 466.9 507 810
98 9/18 518   577.0       75% 25% 692.4 461.6    

早速各セルにどのような数式が入っているか見てみましょう。 まずL列とM列は数式ではなく実数が入っています。単純に入力しましょう。
N列とO列は移動平均線に20%をプラス、またはマイナスした数値が入っています。 すなわち数式に表すと次のようになります。
N26のセルに以下の数式を入力します。
=F26+F26*20%
同様にO26セルには以下の数式を入力します
=F26-F26*20%
次は少し高度なテクニックです。先に数式を見てください。 P26セルに以下の数式を入力します。
=IF(J26=1,MIN(B16:B36,P27),IF(J26=-1,MAX(B16:B36,P27),""))
Q26セルに以下の数式を入力します。
=IF(K26=1,MAX(N16:N36),IF(K26=-1,MIN(O16:O36),""))
何を意味しているかわかるでしょうか。P列は判定1のサインが点灯した際にチャートに引く水平線を表します。 Excelのグラフ作成能力で表現できるように折れ線グラフのマーカーのみという機能で作成しています。 数値については一直線で表現できるように直近の安値終値ラインを選んでいます。
Q列は判定1点灯後に判定2が点灯した時のチャートに引く垂直線を表します。 こちらも折れ線グラフのマーカーのみに誤差範囲の表示という機能を追加して表現しています。
ここまで入力してその数値をチャートに表すと次のようになります。
今回の解説は売買サインの表現という意味では良い学習になると思います。 Excelで株式分析をする醍醐味はここにあります。自分なりの売買サインを見つけましょう。
3点チャージ法
△クリックすると拡大します△
今回の例はうまくサイン後に上昇しています。もちろんうまくいかない場合も多々ありますが、繰り返し検証し、精度を高める事が重要です。 7割くらいの確率で当たる精度の良いサインを作成する事ができたとして、その自動でサインを発生させるチャートが終値と出来高の入力だけでできると考えると色々なサインの検索に挑戦する価値があるとは思いませんか?

折れ線グラフのマーカーの設定と誤差範囲の設定は以下に解説します。
まずはマーカーの設定です。折れ線グラフを右クリックしてデータ系列の書式設定(O)を選択すると以下の画面が開きます。 ここのパターンタブを選択し、線を「なし」、マーカーを「指定」でスタイルや色を好みに設定します。 今回の例のように一直線を引く場合は横一本棒を選択肢、サイズを8以上にするとうまく繋がります。 graphe37.jpg(39223 byte) 次に誤差範囲の設定です。これはローソク足のヒゲを作る時にも用いましたが、 今回は折れ線の値と同じ値を用いる事でチャートを上から下まで垂直に線を引くようにしています。 設定は簡単です。誤差範囲の設定にグラフの範囲設定と同じ範囲を指定するだけです。 詳細はサンプルをダウンロードして範囲を確認してみてください。

お知らせ ■1万9800円で売ってた教材が無料?